四國徧禮霊場記　巻一　讃州上

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「道範の記には、是所石高(たか)く廣(ひろ)く畳(たた)めり。今は、如法經(によはうぎやう)を納め。七重の石塔ありと。範師の哥に 　高野山岩(いわ)の室戸(むろと)にすむ月の此ふもとより出けるかさは」 RT @kandemo

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「凡此寺中、道範の記には、四面二町。其間種々の堂舎(だうしや)宝塔灌頂(くわんでう)堂護摩(ごま)堂。羅列(られつ)せりと。夫(それ)物の興廃(こうはい)は、世の常也。此寺世と移らざる事を得ず。…」 RT @kandemo

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「… 西行道範の比まては、むかしの伽藍(からん)ありときこえぬれとも、今はその跡のみにて。今の大師堂は、彼御誕生(たんじやう)の所に作れりとなり。●大師御童稚(とうち)の時、遊戯(け)の跡等皆あり。…」 RT @kandemo

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「… 所謂(いわゆる)。遊墳仙遊原。四王執蓋地。捨身誓願岳等なり。●西行か集に、大師のおはしましける御あたりの山に庵むすひて住けるに、月いとあかく海の方曇(くも)りなく見えけれは 　曇なき山にて海の月みれは嶋そ氷の絶間(たえま)也ける」 RT @kandemo

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「… 住けるままに庵いとあはれに覚えて…」 「四國徧禮霊場記　巻一」 18頁 base1.nijl.ac.jp/iview/Frame.js… 「今よりはいとはし命あれはこそかかる住ゐの哀をもしれ」 RT @kandemo

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「菴の前に松立りけるを見て 　久にへて我後の世をとへよ松あとしのふへき人もなき身そ 一本には、あとしたふへき人もなき身にとあり。此松南大門の西のわきにありときこえたり。西行歌よりこれを西行松といふ。…」 RT @kandemo

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「… 道範聞て 　契(ちきり)置く西(にし)へ行ける跡にきて我もをはりを松の下露 ●大師の御行道所といふ所。我拝師山といひ。五岳(がく)の一つ也。今は別に出尺迦(しゆつしやか)の一寺とするが故にここにしげくせす。」 RT @kandemo

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「●此寺宮(きう)武の御崇敬(すうきやう)代々あさからす。綸旨(りんし)院宣(ゐんぜん)二十余(よ)通。将軍家御寄附(きふ)状等数多あり。むかしは、荘田もおほくありて禅□(ぜんかう)の精衆(せいしゆ)林をなし、…」 RT @kandemo

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「… 勅會(ちよくゑ)の法事なとありときこえき。東鑑(あつまかかみ)にも、貞安二年三月十三日讃岐の國善通寺領の地頭職を停止せられて畢ぬ。是弘法大師御誕生の地也。長日不退(たいの)御祈禱の砌也。…」 RT @kandemo

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「… 而に近年地頭を彼領に補せられしの間、寺用闕如の旨願状を棒に依り、殊に其の沙汰有りて之を止めらる。已上[=以上]。[而ニ近年被補地頭ヲ於彼領ニ之間寺用闕如之旨依捧ニ願状ヲ殊ニ有其沙汰被止之ヲ已上]」 RT @kandemo

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「●後嵯峨(さがの)院御陵(みささき)寺中にあり。後宇多院亀…」 「四國徧禮霊場記　巻一」 19頁 base1.nijl.ac.jp/iview/Frame.js… 「山院御石塔を左右に立てり。亀山院震(しん)筆法華經并結經を紺紙(こんし)金泥(でい)にあそはされ、…」 RT @kandemo

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「… 後嵯峨院の御廟(びやう)に備へ玉ふとて今にあり。 ●什寳○大師の御袈裟(けさ)[二十五條]○御鉢錫杖(しやくちやう)○一字一佛の法華席品佛像は、大師の御母のあそはし。文字は，大師の御筆也。」 RT @kandemo

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「○西行記(き)せるにも、大師(し)の御手なともおはしましき四の門の額(がく)少くわれて、おほかたはたがはすして侍き。すゑの世にこそいかがなりけんすらんと。おほつかなく覚え侍しと。道範の時まて二枚あり。善通の寺と。あそばされたりと。…」 RT @kandemo

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「… 一伝(てん)に載(のせ)るに、むかし陰陽(ゐんやう)の博士(はかせ)安氏清明(あんしせいめい)事の縁ありて。彼國へ下向(けかう)の時。夜道を行に。相具(ぐ)したる使鬼神(しきじん)火をともしたりけるが、善通寺の前(まへ)を過(すぐ)る時。…」 RT @kandemo

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「… 火をうちけちてみえず。寺を過て後出来たり。清明勧發(かんはつ)しけれは。此寺の額(がく)は、四天王守護し給ふか故に、おそれをなして道をかへたるとそ申けると」 「●鎮守は、八幡宮即大師の御氏神也。御神躰大師御作なり。」 RT @kandemo

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「四國徧禮霊場記　巻一」 20頁 base1.nijl.ac.jp/iview/Frame.js… 「●真雅(が)僧正は、大師の御胞弟(はうてい/おとと)にて。もとより此所より出玉へり。故に此寺住(すま)せ玉ふ事、勿論なり。…」 RT @kandemo

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「… 其後遍照院の僧正寛朝。延命院元杲(こう)。小野の仁海。宥範宥源宥快等の高徳達住居せりとなん。我道範阿闍梨仁治四年の春。はからさるに不罪の罪を蒙る事ありて、此國に配流(はいる)せられ、…」 RT @kandemo

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「… 幸に大師(し)の遺跡(ゆいせき)を慕敬(ほけう)して、寛元三年九月より此所へ移住(いじう)あり。此(ここ)にて、製作(せいさく)の書籍(しやく)おほし。浄土の祖師法然上人も、此國にながされし時、大師(し)の遺迹を拝せん事をよろこはれけるとや。」 RT @kandemo

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「●此寺の務職は、もと東寺の長者兼帯なりしを、後宇多院以後嵯峨の御門主五六代領し玉ひ其後、唐橋親嚴僧正、寺務(ちむ)に任せられしより随心院御門跡寺務となり。」 「西行法師筆山といふ名につきてよめる歌 　筆の山にかきのほりてもみつるかな苔の下なる岩のけしきを」 @kandemo

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「四國徧禮霊場記　巻一」 21頁 base1.nijl.ac.jp/iview/Frame.js… 「出釋迦寺圖」 「我拝師山出釋迦寺 此寺は、曼荼羅(まんたら)寺の奥院となん。西行のかけるにも。まんたらしの行道所へのほるは。よの大事にて手を立たるやうなり。…」

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「… 大師の御經書て、埋(うづ)ませおはしましたつ山の峯(みね)なりと。俗(ぞく)是(これ)を世坂(よさか)と号(かう)す。其道の程嶮岨(けんそ)にして、参詣の人杖(つえ)を抛(なげ)岩を取て登臨(とうりん)す。南北はれて、諸国目中にあり。…」 RT @kandemo

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「大師此所に観念修行の間、緑(みとり)の松の上白き雲の中、釋迦(しやか)如来影現(ゑうげん)ありしを、大…」 「四國徧禮霊場記　巻一」 22頁 base1.nijl.ac.jp/iview/Frame.js… 「…師(し)拝(おか)み給ふによりて。…」 RT @kandemo

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「… ここを我拝師(わかはいし)山と名(なづ)け玉ふとなん。山家集に、その邊(ほう)の人はわかはしとそ申ならひたり。山もしをはすてて申さすと。いへり。むかしは、塔(たう)ありときこえたり。西行の比まては、その跡に塔(たう)の石(いし)すへありとなり。…」 RT @kandemo

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「… 是は、善通寺の五岳(がく)の一つなり。むかしより堂(だう)もなかりきを。ちかき比、宗善(ぜん)といふ入道のありけるが、心さしあにて。麓(ふもと)に寺を建立せりとなり。此山のけはしき所を捨身の嶽(だけ)といふ。…」 RT @kandemo

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「… 大師幼(いとけ)なき時。求法(くはう)利生の御こころみに。三寳に誓(ちか)ひ捨身し玉ふを。天人下りて、とりあけけるといふ所なり。…」 RT @kandemo