釣り界隈のウワサ「100均マニキュアでデコったルアーはよく釣れる」を釣り初心者が検証してみた
スプーン、「初心者には難しい」ってよ
11月初旬、一行は朝霞ガーデンに集合した。
朝霞ガーデンは、ルアーつきの釣り竿を貸し出していて(1本600円)、釣り竿を持っていない人でも気軽に釣りを体験できる。
利用時間は、1日、6時間、3時間、ナイターと分かれており「短時間でサクッと楽しみたい!」という人も利用しやすい。今回我々は、3時間のコースで挑んだ。
入場の手続きを済ませて、スタッフからレンタル釣り竿の説明を受ける。
スタッフ「ルアー釣りやったことある?」
鈴木「ありません!!!」
スタッフ「じゃあクランクベイトからだな!スプーンは初心者には難しいから」
鈴木「えぇっ!?!?」
聞けば、スプーンは水に沈む分、変化をつけたりリールを巻く早さの調整が難しいのだそうだ。なんと!
ちなみに、クランクベイトは、先ほど紹介したエビ型のルアーの名前らしい。クランクベイトは、水に浮いて、リールを巻けば勝手に動いてくれるから、初心者ならこちらのほうが扱いやすいとのこと。
鈴木「初心者はスプーン使わないほうがよいでしょうか?」
スタッフ「いや、フランクベイトで竿の使い方に慣れてからスプーンをやってみるといいよ!」
鈴木「わかりました!ありがとうございます!」
スタッフさんの懇切丁寧なアドバイスを受け、いよいよフィッシングタイム。
いきなり釣果をあげるクランクベイトくん
ルアー専用池について、水の中をのぞいてみる。
いるわいるわ!トラウト系のお魚さんたちが!!陸から見える範囲でも、魚影がひしめいているのが分かる。想像より魚が多くてびっくりした。
鈴木「それでは今から開始です。魚がヒットしたら手をあげて知らせてください」
と伝えて、各々自分のポジションにつき、フィッシングスタート。
未経験の私は、最も釣り歴の長い三平氏に竿の投げ方から投げた後のオペレーションまで事細かに聞いた。始めてのことだらけでいろいろとあうあうしていると…
三平「鈴木さん、鮎川さんが手あげてます」
鈴木「えっ、もう!?」
駆けつけると、鮎川氏がさっそく魚とファイトしていた。
鮎川「来てる来てる!鈴木さん!タモをお願いします!」
鈴木「がってんだ!」
はい、1匹目ゲットー!!!
第一投は、管理釣り場で借りたフランクベイトの釣果。開始からわずか5分後のことである。「釣れやすい」という話は、本当のようだ。
用意したスプーンではないものの、撮れ高的に「1匹も釣れませんでした!」という残念な結果を回避できたのてホッとする。さぁ、負けずにトライだ!!
鈴木は竿の扱いに慣れるところから
鮎川氏が釣った記念すべき1匹目をリリースし、いよいよ私のターン。
三平「意外と簡単にできると思うので、やってみてください」
鈴木「はっ、はい!」
釣り竿を握って池の前に立つと、心臓がバクバクする。
釣り竿ってメチャクチャ繊細そうだし、扱い方をミスって即壊しちゃったらどうしよう。ルアーも針ついてるし、変なところに刺さったりしたら怖いな。
さまざまな不安がグルグルうごめく中、初のキャスティングする様子がこちら↓
「片腕、負傷してんのか?」というくらい動きが堅いが、ルアーはなんとか池の中心に向かって飛んで行った。できた!できたぞ!
リールを巻くと、ルアーがだんだんこちらに向かってくるのが分かる。「ちゃんと釣りの動きが出来ている」ことにテンションが上がった。
時間が3時間と限られているので、各人、数回投げて感覚を確認したのち、持ってきたスプーンにつけかえることにした。ここからが本番だ。
一匹目、釣れた…?
ルアーをスプーンに変えてからは、黙々と釣りにいそしむタイムに突入した。
竿を振り、ルアーを投げ、ゆっくりとリールを巻き、回収する。これをひたすら続ける作業である。
だんだん動作にも慣れてきて、静かな水面を眺めながらリールを巻く時間がとても心落ち着くことに気づいた。これもまた、釣りの魅力の1つなのだろう。
肝心のスプーンの感触はどうか。これがなんと、だいぶ反応が良かった。
鮎川「あっ、今食べたっぽいんだけどな」
加瀬「あー!逃げた」
メンバーから、ポツポツこんな声があがる。私も同じく、竿の先に「ブルッ」と魚がつついたような振動を感じることがけっこうあった。実際に、スプーンが水面下に見えるくらいのところで、魚がスプーンめがけて寄ってきている姿も目にした。
なかなか釣果はあがらないが、少なくとも、マニキュアスプーンが魚の興味を引いていることは確かなようだ。期待感が高まり、ただリールを巻く時間がますます楽しくなる。
1時間ほどして、鈴木の竿に異変が起きた。
「ん?なんかブルブルしてないか?」
してる。確実にブルブルしてる。
「あっ、来たかも!!!!」
鈴木「三平さん、ヒットしました!どうしましょうどうしましょう!」
三平「巻きましょう!タモは私が!」
そこから先は、もうパニックである。魚が右往左往している引きを感じながら、夢中でリールを巻く。だんだん、大きな魚影が見えてきた。
「おお!釣れてる釣れてる!…ん?」
よく見たら、なんか魚の側面にスプーンがちらついてないか?
三平「あっ、これは魚の体にルアーが刺さってるパターンですね」
鈴木「あっ、そっち!」
どうやら、スプーンに喰いついた訳ではないようだ。ただ、魚の体に偶然刺さるような速度では巻いていないので、喰いついたものの何かの拍子で外れて、体に刺さった感じだったんじゃなかろうか。
判定が微妙なところだが、とにもかくにも1匹の釣果をあげた。ひとまず、私のミッションは達成。さぁ、あとは気楽だぜ!
マニキュアデコルアー、ちゃんと喰われる
その後、釣果があがらない時間が続いた。
鮎川「うーん喰わんなぁ。でも楽しいですね。時間があっという間に過ぎていく」
加瀬「ラメ蔵(スプーンの名前)のデザインが悪かったのかな」
そんな話を尻目に、白熱した戦いを続ける男がいた。ベテランの三平氏である。
他の3人のスプーンがなかなか喰われない中、三平氏は何回も「あと一歩」の成果を出していた。
三平「来ました!」
三平「あっ、食べました!」
三平氏が興奮まじりにリールを巻き、鈴木がタモを用意する。
喰いついた魚が近くまで見えるようになると…
確かにスプーンを喰っている!
しかし、タモに入れる直前で逃げてしまうことが続いた。
三平「ああ!また逃げられた!悔しい!」
鈴木「いやでも三平さんのデコルアー、しっかり喰われてますよ。これはもう釣ったと言ってもいいのでは」
三平「いや、ここまで来たら絶対タモに入れたいですね!ああ悔しい!」
三平氏の体に釣りキチの血がしっかり流れているのが分かった。
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