好きな短編を選んで「自分だけのアンソロジー」を作る神サービスが登場!販売元に誕生の経緯を聞いた

誰もがマイ短編集の編集者になれる!
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偶然の出逢いを大切に

パブリックドメインの作品の選定基準はなんでしょうか

参考:「ポケットアンソロジー」作品リフィル一覧

ラインナップは、メジャーとマイナーのバランスを考えました。
「誰でも知っているあの短篇」と「こんな短篇があったのか」の混在が、アンソロジーを編む時の醍醐味だと思います。当書店と関係の深い近代文学研究者や知り合い、そして書店員の方から「推し」をうかがい、最終的には編集部で選定の調整をしました。

たとえば100編を超える江戸川乱歩短編作品から『木馬は廻る』を推したのは、紀伊國屋書店新宿本店の文芸担当者です。「たまたま見つけた短篇が超面白かった」という経験をなるべく多くの読者に届けたいと思っています。

 

確かに販売コーナーに「誰推し」かの表記がある

ほかにも、ブックジャケットの仕様については特にこだわったという。もともと大槻さん自身が印刷製本フェチ、紙フェチ、無類の文房具好きということもあり「モノとしての魅力」も追及した形だ。ブックジャケットのバリエーションも今後増やす予定とのこと。

ブックジャケットのデザインも素敵

リリースしてからの反響について、感触はいかがでしょうか

想定していたよりもはるかに若い層、それも女性にウケたことが意外でした。おそらく一番多く購入して下さっているのは20代〜30代の女性だと思います。


電子書籍全盛のこの時代に、「紙で読みたい」というニーズがこれほどあるとは思いませんでした。

また、文豪をモチーフにした人気ゲーム「文豪とアルケミスト」のファン層とガッチリ繋がったことや、商品とTwitterの相性の良さも計算外でした。


誰でも自分だけのアンソロジーを編んだり、いい短編を読んだ感動を誰かと共有したいものなのだと、改めて実感しました。

今後の要望としてどんなものが届いていますか

やはり「作品リフィルにこの作品を入れてほしい」という声が多いです。特に谷崎潤一郎作品。これはいずれラインナップに入れます。


また、取扱店が身近にあればいいのにという声も多いです。「ポケットアンソロジー」は基本的に販売店と直取引しているので、こちらから一店ずつ口説いていくか、販売店からお声がけしてもらえるよう地道に進めていきます。

公式HPより、8月2日時点での取扱店舗一覧

現在の実店舗販売は東京近郊のみだが、自分もアンソロジーを作りたい!という人は、こちらのサイトで購入できるので、ぜひチェックしてみては。

 

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