楽器初心者だけどスウェーデンの伝統楽器「ニッケルハルパ」でベートーヴェンを弾いてみた
鍵盤は箸を持ち上げるくらいの力で
続いて、ニッケルハルパの肝となる鍵盤の扱い方。
「お箸を持ち上げるくらいの力で鍵盤を押し上げるだけでいいんです」
小柏さんに促され、恐る恐る鍵盤を持ち上げ弦を弾くと、確かに軽い力でもちゃんと音程が変わる。楽しい。
「さっそく一曲弾いてみましょう!」
まったく心の準備ができていないまま曲に突入する。課題曲は、ベートーヴェンの「第九」こと『歓喜の歌』だ。
一応楽譜を渡されたが、私はオタマジャクシを読めないので、小柏さんが鍵盤を押さえる動きを目で追いながらワンフレーズずつ演奏していく。
動作自体は鍵盤を押さえて弦を引くだけなので、いたってシンプル。課題曲のメロディーを元々知っていることも助けになり、目で追いながらではあるものの、少しずつ指が自然に動くようになっていく。だんだん楽しくなってきたぞ。
レッスンの成果やいかに
30分ほどで、無事用意された楽譜のフレーズを演奏しきることができた。
レッスンの締めに、ニッケルハルパ初心者3人だけで演奏にチャレンジしてみる。成果をとくとご覧あれ!!!
いかがだろうか。音色は不安定で、指もおぼつかなく、肩がガチガチで「カリブの海賊」のロボットみたいな動きになってはいる、が。初心者でも、曲がりなりに1フレーズ弾けるようになった。アメイジング!
せっかくの機会ということで、小柏さんの演奏も一曲聴かせていただいた。曲名は『夏のワルツ』。
うーん、ステキだ。踊りのステップを踏むような、のびやかで軽やかな音色。行ったこともないスウェーデンの夏情景が目に浮かぶようだ。
体験したあとだと、プロの奏でる旋律の美しさと凄さがよくわかる。晴れやかな達成感とともに、体験レッスンは幕を閉じた。
ニッケルハルパの購入を真剣に考える人
編集部Aは、特に今回のレッスンでニッケルハルパの虜になったようで
「ニッケルハルパ、真剣に購入を考えてみます」
と何度もつぶやいていた。
ちなみにニッケルハルパのお値段は、1挺40万円くらいから。価格的にも決してお安くはないが、それよりも伝統楽器ということで作っている職人さんの数が少なく、純粋に入手する難易度がかなり高いらしい。誰かが中古で手放してもすぐに買い手がつくほどだそうだ。
小柏さんは、ニッケルハルパの体験レッスンだけでなく、北欧の伝統楽器を中心にさまざまな楽器の演奏者が集まるイベント『東京北欧セッション』も開催している。どちらも、楽器初心者でも気軽に参加できる場とのことなので、ニッケルハルパが気になった人はぜひチェックしてみては。