フルーツは常温と冷温で甘さが変わる!?プロが教えるおいしく食べる方法が目からウロコ
「冷やすと甘くなるフルーツとそうでもないフルーツ」をまとめた一覧表がX(Twitter)に投稿され、話題になっている。
冷やすと甘くなるフルーツとそうでもないフルーツがあります。フルーツの甘さは果糖やショ糖などの糖分によるものですが、果糖は低温で甘みが出ます。逆に言うと保存のために冷蔵したショ糖チームは食べる前に少し常温に戻してやるといいですね。 https://t.co/Bhe7bdNYjm
— みかんのことなら「のま果樹園」 (@nomakajuen) 2024年1月19日
投稿者は愛媛県でみかん専門店を営んでいる、のま果樹園(@nomakajuen)の公式アカウント。のま果樹園さんによると、フルーツに含まれる糖分には果糖やショ糖などの種類があり、果糖は冷やしたほうが甘味が増し、ショ糖は常温のほうが甘味を感じやすいのだそう。
一覧表には冷やして食べると甘い果物(果糖チーム)としてブドウ・リンゴ・キウイフルーツ・ナシ・スイカ・サクランボ、常温で食べると甘い果物(ショ糖チーム)としてモモ・バナナ・メロン・イチゴ・パイナップル・みかんが挙げられている。
【補足】
・知っておくと便利ではありますが、好きなように食べるのが結局一番おいしい
・ショ糖チームを常温に戻すのは、温度が高い方が甘味を感じやすいから(溶けたアイスが例)
・冷凍みかんは長期保存がそもそもの目的
— みかんのことなら「のま果樹園」 (@nomakajuen) 2024年1月19日
一覧表を見たXユーザーからは、「知らなかったー! そんな違いがあったんすか!」と驚く声や、「いちご狩りのいちごが甘いのはそーゆーことなのか」「冷凍みかん、あまり甘くなかった思い出は間違いじゃなかったんですね」と合点する声が集まっている。
果物、特にみかんのプロであるのま果樹園さんに、甘さに違いが出る理由やおいしい食べ方など詳しい話を聞いた。
果糖は低温で甘みが増し、ショ糖は温度による変化がない
フルーツに含まれる糖分についてもう少し教えてください。
フルーツの糖分には、果糖・ショ糖・ブドウ糖が含まれます。
このうちブドウ糖は他の2つに比べて甘味が少ないため割愛しています。(一覧表にあるフルーツも)基本的に果糖やショ糖も含んでいるのですが、割合が多いものでチーム分けをしました。
果糖は低温で甘味が増しますが、ショ糖は温度による変化はありません。
他にも温度で甘味が変わるフルーツはありますか?
表に書き切れなかったもので代表的なフルーツは、果糖チームではブルーベリー・イチジク・洋ナシ・ビワ・マンゴー・プルーン・ライチなどがあり、 ショ糖チームには柿があります。
書き切れなかったことで大切なことは他にもあります。今回はあくまで「甘く食べるための温度」であって、(どの温度で食べるかは)お好みによって選んでください、ということです。「甘味が増すから」と好んでぬるいメロンを食べる方はそれほどいないと思います。
また、保存のために冷やした方がいいということでもありません。フルーツによって、常温で追熟させる必要があるものもありますので、それぞれのフルーツのプロに聞いていただくのが良いと思います。
みかんの場合はいかがでしょうか?
みかんは冷蔵することで常温より少し長持ちしますので、長期保存する場合は一旦冷蔵保存しておいて、食べる時に少し常温に戻すくらいが望ましいです。
温度で味の変わらないショ糖チームのフルーツを冷蔵した場合、食べる時に常温に戻した方がいいというのは、温度によって甘味の感じ方が変わるからです。溶けたアイスクリームやぬるいコーラがとても甘く感じる理由がこちらになります。
逆に言うと、ショ糖チームのフルーツをサッパリと食べたい時は、冷やすことがおすすめですね。
なるほど。果糖とショ糖では甘さを感じやすい温度が違うため、分類を知っていれば自分で食べ方を調整して楽しめそうだ。
最後に、おいしいみかんの選び方や食べ方も教えてください。
おいしいみかんの選び方はたくさんあるのですが、わかりやすくて代表的なものをいくつかご紹介します。
- 皮の色が濃いオレンジ色であること
色が濃い=たくさん光合成をした証=甘味を蓄えている、ということです。
- 皮がきめ細かいこと
みかんの皮にある油胞という半透明の粒々がきめこまかくぎっしり詰まっている方が甘いです。
- 扁平な形をしていること
横から見て背の高いものより平べったいものの方が甘いです。
- ヘタの軸が細いこと
ヘタの部分の枝から切られた断面が小さく細いものの方が甘いです。
また、みかんを甘くする方法についても代表的なものを教えてもらった。
- しばらく置いておく
みかんは呼吸をするときに酸を消費しますので置いておくことで酸味が減り、相対的に甘みを感じるようになります。
- 手で揉んだり転がしたりする
みかんに刺激を与えると、ダメージを修復するためにクエン酸を消費します。このクエン酸が酸味の元ですので、手のひらでもみもみしたり机の上でころころしたりすることでクエン酸が減り、甘味が増します。
- 焼いたり温めたりする
これらはみかんの呼吸が活発になり、クエン酸を消費するので甘味が増します。
フルーツの分類からおいしいみかんの食べ方まで、大変有益な情報を聞かせてもらった。これからは今回のアドバイスを参考に、自分の好みやその時の気分に合わせてフルーツを味わいたい。