基礎からはじめる大砲のメカニズム(閉鎖機編)

火砲の閉鎖機構についてのお話。 歴史を何となく追いつつ、隔螺式、螺旋式といった一般的なものから、ちょっと変り種の閉鎖機までざっくりと
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

アームストロング砲では2種類の尾栓を用います。一つは直接爆圧に曝される垂直式鎖栓。もう一つは中空構造の螺旋式尾栓で、垂直式鎖栓を砲尾ブロックに押し付けます。開放時はネジを完全に引き抜かずとも、押し付けた分だけ戻せばいいのです http://t.co/wLBYT0ZpV4

2013-05-05 22:05:35
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

しかして、アームストロング式閉鎖機は確かにネジを回す時間こそ短くて済みますが、重い垂直式鎖栓を砲尾ブロックの中に出し入れする労力がかかります。とくに大口径砲では尾栓も大きく重くなりますから、規模によってはクレーンで釣り上げるしかなくなります。これでは高い発射速度など望めません

2013-05-05 22:09:49

断隔螺式閉鎖機(Interrupted Screw Breech)

えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

さて、アームストロング砲より一歩進んだ閉鎖機を見る前に、ここで一つの奇妙な砲を紹介しましょう http://t.co/ckb5t7ci0E この砲の名は「Hughes Breech-Loading Cannon」で1861年頃の開発とされていますが、その特徴は閉鎖機にあります

2013-05-05 22:14:22
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

この砲の閉鎖機は、一言で言うなら大型化したボルトアクションライフルです。このよう棒状の尾栓の凸と砲尾ブロックの凹が噛み合っており、90度回すことで尾栓を後ろに引くことができます http://t.co/3udWcE82KM http://t.co/aexfPhFzsS

2013-05-05 22:17:12
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

次なる「断隔螺式閉鎖機」も基本的には同じ仕組みです。尾栓の凸をさらに多段にした、というよりはネジ山を90度ずつ削ぎ落としたような形で、90度回すだけで全ての山の噛み合いが解けて引き抜けます。あとは尾栓を横に退けて装填するだけ http://t.co/7ujxi7lwjI

2013-05-05 22:23:01
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

なお、Hughes Breechと断隔螺の開発には、特に関連があるという話は聞かれません。前者が1961年なのに対し後者は1845年には見られたようですので、開発準は逆です。今回は構造の理解しやすさを重点するためにあえてこの順で紹介しました

2013-05-05 22:27:08
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

ああハイ、盛大タイプミスでした。Hughes Breechの開発は正しくは1861年です RT @Jagdchiha: @FHSWman 1961年…?1861年か何かのミスですかしら

2013-05-05 22:30:57

断隔螺式──三動尾栓(Three Motion Breech)

えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

さて、先ほど断隔螺式閉鎖機について「尾栓を横に退けて装填するだけ」と言いましたが、まさか外した尾栓をそこらに放り出しておくわけには行きません。繊細なネジに傷が付けば閉鎖が不完全になりますし、あるいは紛失してしまうかも知れません。砲尾から外した尾栓をどうにかする工夫が必要です

2013-05-05 22:34:29
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

最も単純な解決策は、引き抜いた尾栓を載せる台を付けてしまうことです。閉鎖解除・引き抜き・螺体退避の三挙動から成るこのタイプの閉鎖機はThree Motion Breechと呼ばれます http://t.co/2mTV1V6Wjr

2013-05-05 22:39:32
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

尾栓を置く台は日本語では撑転架(とうてんか)と呼ばれます。Three Motion Breechには適当な訳が見つかりませんでしたが、私なら「三動式閉鎖機」とでも呼びましょうか。撑転架式閉鎖機という名もありますが、これはThree Motion Breech以外も含むようです

2013-05-05 22:44:42
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

Three Motion Breechについては実物の動画が。これは旋回ハンドルではなく手で直接操作していますが、基本的には同じものです http://t.co/mdZigljVFK

2013-05-05 22:51:24
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えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

余談ながら、Three Motion Breechが3挙動であるのに対して、4挙動を要するFour Motion Breechなる物もあるようです。これについては今一つよくわからないのですが、どうやら撑転架がないものの様子

2013-05-05 23:00:53
JagdChiha 〄 次元不可能性撹拌機 @Jagdchiha

@FHSWman 最初と最後に螺体を回転させるレバーを立て/倒してますが、もしかしたらこれが螺体の回転を止めるロックになっていて、これの挙動を数えて4動式閉鎖機というのかなあ、と思いましたね

2013-05-05 23:10:29
JagdChiha 〄 次元不可能性撹拌機 @Jagdchiha

@FHSWman 図解の歯車による螺体回転式ではウォームギアの特性的にそうそう回っちゃうことはないでしょうけど、動画のレバー式ではなにか最後でロックをかけないと尾栓の閉鎖が緩くなってしまいそうな

2013-05-05 23:14:45
えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

@Jagdchiha 大抵の隔螺には何かしらのロックはあるでしょうね。それを4動と数えるのかどうかはイマイチわからんのですが

2013-05-05 23:17:33

断隔螺式──階段断隔螺(Stepped Interrupted Screw)

えすだぶ@C103日曜東3"サ"-58a @FHSWman

さて、断隔螺は優れた方式ですが、尾栓と砲尾ブロックの面積が通常のネジに対して半分になってしまいます。そこで、より高い強度を得られるように考え出されたのが階段断隔螺です。これは直径の異なるネジ山が階段状に連なったような構造です http://t.co/s5RVsEelWv

2013-05-05 23:06:07
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