編集部イチオシ

ハーバード大学のデジタル人文学のオンラインコースをやってみた

ハーバード大学が4月30日からデジタル人文学のオンランコースを公開したのでやってみました。このまとめでは実況に徹しています。練習問題をのぞいてほとんどすべてのコンテンツに無料でアクセスできます。聞き取りやすい英語で字幕もついており、ビデオをみながら勉強できるのでデジタル人文学に興味がある人にはおすすめです。99ドル払えば練習問題にアクセスできて、クリアすれば修了証が発行されるそうです。 https://online-learning.harvard.edu/course/introduction-digital-humanities
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渡部宏樹 Kohki Watabe @kohkiwatabe

デジタル人文学は、大雑把に言って伝統的な学にのっとって資料だけデジタル化する「プラットフォーム整備型」と「てこをきかせてスケールを拡大させるアート的、表現的、批判的、実験的」なものがあると。 pic.twitter.com/t4igiCRQKu

2019-05-01 20:50:21
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渡部宏樹 Kohki Watabe @kohkiwatabe

「てことスケール」の事例ひとつめがレフ・マノヴィッチのselfie city。セルフィーをたくさん集めて、都市ごとの特徴を明らかにしている。それ自体アートでもあるし、都市論的な研究でもある。selfiecity.net

2019-05-01 20:53:54
渡部宏樹 Kohki Watabe @kohkiwatabe

「てことスケール」の事例二つめが、ハーヴァード大学美術館の中で所蔵品の写真を大量に表示して、それらの間の関係性を可視化するというLightbox Gallery。apps.harvardartmuseums.org/lightbox/index…

2019-05-01 20:55:26
渡部宏樹 Kohki Watabe @kohkiwatabe

写真研究の友達が「写真は物量」って言っていたけど、それを実感する。

2019-05-01 20:58:09
渡部宏樹 Kohki Watabe @kohkiwatabe

レッスン1の最後に練習問題。二人の別の場所、別の時代に生まれた人物の伝記を読んで、これら二つの伝記をデジタルデータに加工するときに、両方に確実に記載されている要素(例えば、ジェンダー、生年月日、教育レベル、職業とか)を選択肢から選ぶ。

2019-05-01 21:09:13
渡部宏樹 Kohki Watabe @kohkiwatabe

レッスン1終了。続きは明日。しかし、20代には画家の手紙をひたすら読んでいた美術史研究者が50すぎてこうやってデジタル人文学のコースのビデオに出演して「ハーバード大美術館は信頼できるAPI (Application Programming Interface)を提供しています」とか言えるようになるのがすごいな。

2019-05-01 21:13:32

レッスン2「デジタル人文学のプロジェクト、ツール、問い」

渡部宏樹 Kohki Watabe @kohkiwatabe

今日は #ハーバード大学 #Harvard#デジタル人文学 #digitalhumanities のオンラインコースのレッスン2「デジタル人文学のプロジェクト、ツール、問い」をやります。

2019-05-02 13:22:55
渡部宏樹 Kohki Watabe @kohkiwatabe

一発めは演劇研究者のDerek Miller先生。ブロードウェイ演劇についてのデジタルプロジェクトをやっていて、ミュージカル黄金期と呼ばれている時代には実は普通の演劇の方が多くて、例えば『南太平洋』をやっているときに『サラリーマンの死』をやっていた隣接関係が大事だよと。 pic.twitter.com/c7i6DbDC6N

2019-05-02 13:39:14
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渡部宏樹 Kohki Watabe @kohkiwatabe

Miller先生曰く、デジタル化されたパンフレットとかはたくさんあるけど、それをデータの形にクリーンナップするのが大変だけど楽しいと。いやデジタル化された一次資料がたくさんあるのは多分アメリカだけの話じゃないだろうか・・・。

2019-05-02 13:40:29
渡部宏樹 Kohki Watabe @kohkiwatabe

で、パンフとかを分析して、写真のようなどの劇場でどれくらいの間演劇がロングランしたかのタイムラプス動画ができたりとか、芝居を成り立たせる仕事のうちどの仕事がパンフレットの中でちゃんと言及されいつ頃制度化されるようになったのかのタイムラインがわかったと。 pic.twitter.com/B0ix9RDhxr

2019-05-02 13:42:38
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渡部宏樹 Kohki Watabe @kohkiwatabe

Derek Miller先生のVisualizing Broadwayのページはこちら。このホームページ上にビジュアルな成果物が置いてあるわけではないよう。 visualizingbroadway.com/index.html

2019-05-02 13:46:50
渡部宏樹 Kohki Watabe @kohkiwatabe

似たようなプロジェクトがいくつか紹介されていて、初期近代のフランシスコ・ベーコンを中心とする人間関係を可視化したSix Degree's of Francis Baconが見た目が面白い。データもカーネギー・メロン大学とフォルジャー・シェイクスピア図書館でダウンロードできると。 sixdegreesoffrancisbacon.com/?ids=10000473&…

2019-05-02 13:51:36
渡部宏樹 Kohki Watabe @kohkiwatabe

Miller先生自らGephiというソフトウェアを使って、人間関係のネットワークを可視化する方法の解説。レナード・バーンスタイン周辺の作曲家と指揮者について誰が誰の作品を指揮したのかのcsvデータを持ってきて、それをSix Degree's of Francis Baconの例のように表示した。gephi.org

2019-05-02 14:14:22
渡部宏樹 Kohki Watabe @kohkiwatabe

Gephiのチュートリアルに使われているのは『レ・ミゼラブル』のデータセットだから遊んでみてねというところで綺麗に落ちがついた。Miller先生は、これはあくまでデータセットに基づいた解釈であって、デジタルな処理が「真実」を見せてくれるとは限らないから気をつけてねとも。

2019-05-02 14:17:11
渡部宏樹 Kohki Watabe @kohkiwatabe

次はストラスブールに保存されていた多言語の写本を比較研究している人が、デジタル人文学におけるテクストの使い方、TEI (Text Encoding Initiative) とXML編集について教えてくれる。

2019-05-02 14:36:23
渡部宏樹 Kohki Watabe @kohkiwatabe

XMLでデータを作ることで、中世の複数の写本を比較しながらかつ読みやすくアクセスできる。例えばエルサレムとかジーザス・クライストなどは短縮形が使われているが、それがなんの短縮形なのかをXMLデータとして書いておけば、ブラウザ上で元の形で表示することもできる。 digital-editing.fas.harvard.edu/ms-viewer/view…

2019-05-02 14:59:46
渡部宏樹 Kohki Watabe @kohkiwatabe

次は昨日も紹介したロシア帝国の興亡をデジタルな地図に落とし込んだThe Imperiia ProjectのKelly O'Neill先生が、このプロジェクトを事例に地理的空間的にデータを表現する方法を教えてくれる。本人はハーバードに着任するまでこんなことやったことなかったと。imperiia.omeka.fas.harvard.edu

2019-05-02 15:17:53
渡部宏樹 Kohki Watabe @kohkiwatabe

19世紀のロシア帝国時代に地方ごとにその土地の産業や特産物を記したお土産的なカード見たいなものを作っていた。このデータに、さらにネット上の都市の名前からその緯度経度を引き出せるデータを組み合わせて、19世紀の地図の上にロシア帝国の姿を再現するデジタルマップを作ったと。

2019-05-02 15:20:11
渡部宏樹 Kohki Watabe @kohkiwatabe

Map Warperというオープンソースのソフトを使って、19世紀の地図を、現在の実際の地理データにはり合わせるプロセスを見せてもらう。そうすることで、csvの形で保存されいてる帝政ロシアの地理情報を都市名と緯度経度を通して19世紀の地図の上に表現できるようになる。

2019-05-02 15:29:47
渡部宏樹 Kohki Watabe @kohkiwatabe

ここまでの事例はそれぞれ「ネットワーク分析」、「テクスト分析」、「地理空間分析」と定義され、それぞれにGephi、TEIとXML編集、最後はいろんなビジュアルに地理情報を処理するアプリを使いましたよという話の流れになっていて、ここから先はいろんな事例の紹介。

2019-05-02 15:58:31
渡部宏樹 Kohki Watabe @kohkiwatabe

中国関係の資料をデジタル化したり、実際に今も残っている建築物をパノラマ写真で記録したChina Local プロジェクト。chinalocal.omeka.fas.harvard.edu これはOmekaというデジタル資料の出版プラットフォームを使っていると。omeka.org

2019-05-02 16:05:33
渡部宏樹 Kohki Watabe @kohkiwatabe

次はSlave Revolt in Jamaica, 1760-1761で、7年戦争中にジャマイカで起きた奴隷の反乱を地図上で実際に反乱軍や英軍がいつどこからどこに移動して何をしたのかを時系列に沿って見ながら、かつその情報の出典も吟味しながら追体験することができるというインタラクティブ地図。revolt.axismaps.com

2019-05-02 16:13:34
渡部宏樹 Kohki Watabe @kohkiwatabe

The Giza Projectは考古学的な資料に基づいて、ギザの三大ピラミッドエリア全体の3Dモデルを作るというものらしい。ビデオゲームじゃないよといっていて、実際そうなんだろうと思うけど、やはりどうしてもビデオゲーム感が・・・。giza.fas.harvard.edu

2019-05-02 16:16:39
渡部宏樹 Kohki Watabe @kohkiwatabe

こうやって世界各地に分散して保存されている資料を総合して表示できるという強みがあるらしくそれは確かにそうだ。 pic.twitter.com/MfcujfFgH6

2019-05-02 16:19:26
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